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メーカーの原因調査は、なぜあれほどまでに時間がかかるのか。ユーザーがいつも感じる疑問

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こんにちは、元エンジニアのりょうすけです。

携帯や家電、車などの商品に問題があって、メーカーにクレームを出した時に、「返事が遅いなぁ」と思ったことないですか?

今日は、メーカー側が具体的にどのような調査をしているのか車を例に挙げてご説明します。

 

原因調査に数ヶ月以上かかるのは、メーカーが怠慢だけが理由ではない

日本の製品は、世界的に見ても品質が良いと言われてます。

それでも、一定数の不良品は出てしまいます。

そしてその不良品により、ユーザーからのクレームや事故が発生すると実際に原因調査が行われます。

 

しかし、テレビを見ていて、「なぜ原因調査はこれほどまでに遅いのだろう?」と思ったことはありませんか。

私もエンジニア時代に知り合いから質問をされたことがあります。

車の場合で言うと、原因の調査期間は長いもので半年以上かかります。

特にリコールに発展するような大きな不具合であれば、絶対に不具合の再発がないような対策を施さなければならないため、慎重に慎重を重ねる必要があります。

原因の調査時間も相対的に長くなります。

 

車の不具合が起きてからリコールを発表するまでの流れ

  1. ユーザーが不具合の恐れのある車を販売店に持ち込む(1日)
  2. 販売店内の整備士が原因を調べる(数日から1週間)
  3. 本社の品質管理部門に一報が入る(1日〜数日)
  4. 設計部門、実験部門で原因調査を行う(〜数ヶ月)
  5. 対策を考える(数日〜数ヶ月)
  6. 販売店内で内容を周知させる(数週間)
  7. リコールを発表する

 

リコールに至るまでの時系列をざっくり表すと、このような流れになります。

1番時間がかかるのが原因調査です。

一般的に経年不具合が原因であるほど、時間がかかります。

 

1.ユーザーが不具合の恐れのある車を販売店に持ち込む

例えば車で走っていて、段差を乗り越える時に車の後ろの方から異音がするとしましょう。

ユーザーはその車を買った販売店に車を持ち込みます。

 

2.販売店内の整備士が原因を調べる

まずは販売店の整備工場にて原因を調べます。

今回のケースでは、まずリアサスペンション周りを調べることになります。

サスペンションの間に石が噛み込んでいたなどのわかり易い原因の場合は、販売店で問題が解決します。

販売店で原因がわからない場合は、自動車メーカー本社(実は販売店とメーカーは別会社です)に一報が入ります。

 

3.本社の品質管理部に一報が入る

まずは、メーカー本社の品質管理部門に連絡が入ります。

販売店からの情報を確認し、情報を精査します。

電話や文書だけではよくわからなかったり、不具合の程度によっては、現地に急行することもあります。

その情報を元に、関係のある設計部門、実験部門に連絡し原因究明を依頼します。 

 

4.設計部門、実験部門で原因調査を行う

現場から取り寄せた部品を確認し、原因を調査します。

ここが最も時間がかかります。

例えばサスペンションであれば、再現実験をするために、実際に車を何万キロも走らせます。

日本の車は、走行距離10万キロ以上の耐久性を持たせることを基本としているからです。

実際に10万キロを走らせる場合、1日20時間走らせたとしても100日(時速50キロ×20時間×100日)かかります。

つまり耐久試験だけでも3ヶ月以上かかることになります。

原因究明に時間がかかる大きな理由です。

 

5.対策を考える

もし、本当に車の部品に原因があるならば、その対策を考えなければなりません。

リコールを発表する場合、「車に問題がありました。」だけでは当然ダメです。

「原因をこのように解決します。」までが必要なので、その解決策を検討します。

コスト、時間、対策のしやすさ、対応車種などから最善の方法を模索します。

必要であれば、対策品をまた耐久試験にかけます。

そうなるとまたさらに時間がかかります。

 

6.販売店内で内容を周知させる

リコールを決めたら、その内容を販売会社に説明します。

情報の流れはこのような感じです。

メーカー→販売会社本部→各地方統括販売会社→各販売店

リコールの内容は全国で統一する必要があり、末端の販売店までに情報が入るまでには時間がかかります。

 

7.リコールを発表する

ユーザーに連絡します。

対象車のユーザー1人1人に電話やDMなどで連絡していきます。

車を販売店まで持ってきてもらい、1台1台対策を施していきます。

 

このような流れとなり、リコールともなると問題の発生から発表までかなりの時間がかかることになります。

 

まとめ

リコールはメーカーにとっては絶対に避けたい脅威です。

なのでメーカーとしては、新商品をしっかり作り込む必要があります。

対して、市場で要求される製品サイクルはどんどん早くなっています。

結果、従来のような充分な設計や実験ができないのが実情です。

(コンピュータ解析の技術は年々向上していますが、やはり実物実験には及びません。)

近年新商品の不具合が多くなっているのは、ここに理由の1つがあると思っています。

 

とはいえ、それを理由にして不良品を世に出して良いことにはなりません。

これからのエンジニアはこれまで以上の「技術力」と「開発時間を短くする工夫」が必要になっていくと思います。 

 

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