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「ブレーキが効かなかった」と加害者が供述したら、自動車会社がお祭り騒ぎとなる2つの理由

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こんにちは、元自動車業界エンジニアのりょうすけです。

先日福岡で、痛ましい事故がありました。

ニュースやネットでは、事故の凄惨さを取り上げたニュースばかりです。

なので今回は目線を変えて、車の不具合により事故が起きた時の自動車会社の影響についてのお話をしようと思います。

 

www.sankei.com

 

福岡での事故の記事です。

この容疑者は、警察にて「ブレーキが効かなかった」と供述しています。

一般の方であれば、特に注目することのないこの供述ですが、自動車会社の反応は全く違います。

事故の一報が入った瞬間、役員を筆頭に一斉に原因究明に入ります。

 

何故ならば、本当にブレーキが原因で事故が起きたのであれば、その自動車会社のブランドイメージは、一気に地に堕ちるからです。

こういう場合、企業の初動が今後の運命を大きく左右します。

今回は、ブレーキ部品の不具合が、どれほど会社にインパクトを与えるのか2点に絞って説明します。

 

 ブレーキ事故が会社に与えるインパクトは甚大である

もしブレーキの不具合による事故であった場合、自動車メーカーのダメージは計り知れません。

他の部品と違い、ブレーキなどのシャーシ(又はシャシー)部品(サスペンション、ブレーキ、ステアリングなど)は、人命に直結する部品なので、他の部品に比べ高い確率でリコールとなります。

 

ブレーキが原因のリコールとなればこうなります。

  1. ブランドイメージが地に落ちる
  2. 損失が数百億円にものぼる

 

1.ブランド イメージが地に落ちる

自動車会社が最も恐れるのはリコールです。

自動車におけるリコールとは、設計や製造段階を原因とする不具合が特定の自動車(オートバイを含む)および原動機付自転車に発見された場合、道路運送車両法第63条の3に基づき、メーカーや輸入業者が国土交通大臣へその旨をあらかじめ届け出て、該当する製品を無料で修理をする制度のことである。

日本では1969年6月に運輸省の通達でリコール届け出の受付を開始し、同年9月に運輸省令である自動車型式規則を改正してリコール制度が法制化され、1994年7月の道路運送車両法改正でリコール制度が法律で明記されて1995年1月に施行された。

自動車では、近年、複数車種の共通設計や部品の共用化などが進んだため、多い場合には数十万台がリコール対象となることもある。1996年日産自動車が対象車105万台という大量のリコールをしたことがあったが(主力車種の多くが含まれていた)、2005年10月18日トヨタ自動車は主力車種であるヴィッツカローラなどを含む、対象車が127万台にものぼる過去最大のリコール(ヘッドライトのスイッチの不具合)を届け出た。

自動車やオートバイでは、レベルにより、以下の3つがある。

リコール
自動車の構造、装置又は性能が自動車の安全上、公害防止上の規定(道路運送車両の保安基準)に適応しなくなるおそれがある状態、又は適応していない状態で、原因が設計又は製作の過程にある場合に、その旨を国土交通省に届け出て自動車を回収し無料で修理する制度。
 
対策整備済み証の一例
三菱ふそうトラック・バス
改善対策
自動車等の構造、装置又は性能が基準不適合状態ではないが、安全上又は公害防止上放置できなくなるおそれがある又は放置できないと判断される状態で、原因が設計又は製作の過程にある場合に、その旨を国土交通省に届け出て自動車を回収し無料で修理する制度。
サービスキャンペーン
リコールまたは改善対策に該当しない場合であり、商品性や品質の改善のためにメーカーが無料で行う自動車の修理。国土交通省の通達に基づく制度。
(出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/リコール_(自動車)

 

軽い処置→重い処置

「サービスキャンペーン」→「改善対策」→「リコール」

このように、メーカーによる無償修理は3種類あり、その中でも「リコール」は最も重い無償修理の制度です。 

 

リコールの恐ろしさの一例

一昔前の三菱自動車は、今では考えられないぐらいのブランドイメージを持っていました。

販売台数も、「トヨタ」「日産」「ホンダ」に続く4番目の地位をキープしていました。

当時の三菱自動車の「パジェロ」は、世のお父さん方の憧れの車でした。

しかし2000年代前半に、三菱のトラックのハブボルト(これもシャーシ部品)の折損による死亡事故を発端に、三菱自動車のリコール隠しが明るみに出ました。

当時の三菱自動車のまずい対応も相まって、今ではご覧のように見る影もなく、三菱財閥のお荷物企業となっております。

 

三菱自動車が隠したように、それほどに「リコール」というものは自動車会社にとって脅威なのです。

特にブレーキ部品の不具合は、先ほども話したように、人命に直結するため、高い確率でリコールになります。

今回のケースも、本当にブレーキの不具合が原因であればリコールになるでしょう。

 

2.リコールによる損失は数100億円にのぼる

ブレーキ部品を含めシャーシ部品は経年による不具合が多いです。

経年不具合とは、発売してすぐに発生する不具合ではなく、数年以上経ってから発生する不具合のことです。

これがどういうことかお分かりでしょうか。

 

プリウスは日本で月に5万台以上売れる人気商品です。

つまり年間60万台(5万×12ヶ月)売れます。

さらにプリウスは世界中で販売されており、全世界合わせると、年間120万台売れます。

 

例えば、3年後に不具合が見つかったとしましょう。

世の中には既に、360万台もの車が走っています。

たとえ、1台1万円の修理費だとしても、360億円かかるのです。

実際は、仕様の違いなどにより、全てのプリウスが対象にはならないかもしれません。

しかし、近年は部品の共通化により、他の車種でも同じ部品を使っていることがあります。

そういう意味では、逆に数が増える可能性すらあります。

 

このように、ブレーキ部品の不具合の場合、「ブランドイメージ」、「修理費」両面からのダメージがめちゃくちゃ大きいので、メーカー側は早期対応が迫られます。

(さらに調べている間にも、どんどん車が売れていきます。)

 

自動車事故を起こした方は、本当のことを言ってください

私も過去に、「車の不良で事故を起こした。」と言われて現場に直行し、調べたことがあります。

しかし、本当に車に原因であることは滅多にありません。

ブレーキ部品であれば数%もないでしょう。

 

つまり、ほとんどの加害者が嘘をついているのです。(勘違いの可能性もありますが)

 

容疑者の立場からすれば、きっと藁にもすがる思いで車のせいにするのでしょう。

しかし、その自分本位な行動のせいで、何万人もの自動車会社とその関連会社に迷惑がかかるのです。

その調査費用だけでも何千万、下手をすれば億単位の費用がかかります。

 

もし、本当は自分の責任であるとわかっているのであるのならば、お願いですから本当のことを言ってください。

そして罪を償ってください。

元自動車業界エンジニアからのお願いです。

 

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